前回まででハードウェアのセットアップが完了した。今回は視聴用のアプリケーションをインストールする。
なお前回も記述したが、筆者宅は難視聴地域であり、ケーブルテレビ局から周波数変換パススルー方式にて地デジ電波を受信している。また、BS/CSに関してはマンションの屋上に受信アンテナがあり、上記地デジ信号と混合し、各住戸へ配信している。(はず。)
まずMicrosoft Visual C++ 2005 再領布パッケージのセットアップである。
今回使用するアプリケーションの実行そのものに必要なもので、Microsoftが提供している。最初にインストールしておく。
以下からvcredist_x86.exeダウンロードし、インストールする。
なお、筆者の場合はインストール後にWindowsUpdateにて再領布パッケージのセキュリティの更新があり、インストールを行った。
5.TVTest、RecTestのインストール、動作確認
視聴用アプリケーションとしては前述のTVTestを使用する。最終的には録画マネージャのTVRockからTVTestはコントロールされるが、TVTest単体で全チューナ、全チャンネルが視聴できるようにセットアップする必要がある。
アプリケーションの実行ファイルを置くフォルダは、c:\ProgramFiles下ではなく、C:\RecordingServerProject\というフォルダを作ってその下に置くこととする。
Windows7のユーザー権限機能によってProgramFilesのフォルダをブラウズしたりファイルを設置したりという作業に影響を与えないためである。必ず影響がでる、というわけではない。他のサイトを見ているとProgramFilesにインストールして全く問題が出ていない人も存在するし、おそらくこの環境でもなんら影響は出ないと考えるが、最近の複雑化したOSでは何が問題になるか分からない(わけの解らないものは触らない)ため、インストールウィザードを使用しない(大抵zipファイルで提供されている)アプリケーションは別フォルダを切ることにしている。
最新版のTVTestをダウンロードし(筆者の環境構築時点では0.6.9)、フォルダに配備する。配備したフォルダはC:\RecordingServerProject\TVTestとなる。
この時点でフォルダ内のTVTest.exeを実行しても何も視聴できない。TVTestからPT2をコントロールするためのドライバが足らないのだ。
このTVTestからPT2をコントロールするためのドライバ、BonDriver(凡ドライバ)のセットアップを行う。BonDriverとはそもそもフリーオ(通称:不利男)という地デジ・BS/CSチューナ(黒・白あるが深くは触れない)をアプリケーションからコントロールするためドライバなのだが、このフリーオというチューナーを正面から見た形が漢字の「凡」に見えたためその名がついたという噂である。このBonDriverを使用するアプリケーションが多く作られ、公開されている。その後PT2の先祖であるPT1が発売された際、それらの多くの既存アプリケーションからPT1を使用するためのPT1用BonDriverが開発された、という経緯がある。PT1/PT2はデスクトップPCの拡張カード形式を取っているため、どう見ても「凡」には見えないのだが、このような経緯があるためBonの名前が残っているのである(と推測する)。その後PT1が生産終了となり、PT2が発売されたが継続してPT2用のBonDriverが公開されている。(そういえばPT2の生産終了の話が出ているが、PT3はあるのだろうか?触っている限りPT2の完成度は高く、チューナの小型化及び6チューナ、8チューナを1カードに載せる、またはPCIeカードにする位しか思いつかないが。そういえばPT2の互換カード?の様なうわさも先日出たが、、、)
余談はこのくらいにしてPT2用のBonDriverをダウンロードしよう。
以下からup0272.zip BonDriver_PT-ST(人柱版2) をダウンロードする。
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/pt1up/upload.cgi
BonDriverはインストールウィザードもセットアップファイルが存在しない。これはTVTestフォルダ(C:\RecordingServerProject\TVTest)直下に置くことで(オプションで他フォルダも指定可能だが)動作する。
zipファイルを展開すると以下の3ファイルがある。
BonDriver_PT_S.DLL 衛星(BS/CS用)ドライバ
BonDriver_PT_T.DLL 地デジ用ドライバ
BonDriver_PT_ST.INI チューナ動作設定用ファイル
PT2は、衛星用チューナと地デジ用チューナがあるため、それぞれのコントロール用のドライバが存在する。この3つのファイルをTVTestフォルダ(C:\RecordingServerProject\TVTest)直下に置く。
BonDriver_PT_ST.INIをメモ帳などで開く。ここでPT2のチューナの動作を設定する。筆者の環境はCATVの周波数変換パススルー方式のため設定を以下のようにする。
----------
[SET]
;0で使用しない、1で使用する
;UHF
UseUHF=0
;CATV
UseCATV=1
;VHF
UseVHF=0
;BS
UseBS=1
;CS
UseCS=1
;LNB電源
UseLNB=0
;DMA転送バッファサイズ(約8MB × 設定値)
DMABuff=8
----------
UseUHF、UseVHFを0にして、残りは1にする。明示的にCATVを使用することを指定する。また、LNB電源については、アンテナ線を壁から取っているので必要ない。
次にBonDriverを増殖させる。PT2は衛星チューナ2系統、地デジチューナ2系統あり、同時に4チューナの信号を処理できる。以下のように、それぞれのチューナに一つドライバを用意することとする。zipファイルの中のDLLファイルをコピーおよびリネームを行い、ドライバファイルを以下の4つ用意する。
BonDriver_PT_S.DLL 衛星(BS/CS用)ドライバ
⇒BonDriver_PT_S0.DLL
⇒BonDriver_PT_S1.DLL
BonDriver_PT_T.DLL 地デジ用ドライバ
⇒BonDriver_PT_T0.DLL
⇒BonDriver_PT_T1.DLL
上記のように分けなくてもTVTestの動作は可能だが、分けることにより、問題が出た際に切り分けを容易になるいうことと、今後新ドライバが出た際に、既存のT0は残してT1だけを新ドライバで運用したりということが出来る。
これでTVTestのソフトウェアの配備は完了となる。
次回はTVTestを動作させ、視聴できるまでの設定を行う。