筆者のテレビは2003年に発売されたPioneerのPDP-434HDである。その頃も東京地区は地デジ波での放送は始まっていたが、家電メーカもあまり本腰を入れておらず、発売されている大型テレビも地デジチューナ付きとそうでないものと2モデル出しており、地デジチューナーを搭載しているモデルは搭載していないモデルに対して数万円高い、といったような時代であった。筆者が購入したのはチューナーが「メディアレシーバー」として別筐体となっているモデルだ。アナログとBS/CSチューナのみがであり、地デジチューナーは搭載されていない。別途チューナーを購入して外部入力での視聴となる。解像度も今では当たり前のフルHDではなく、1280×768である。その頃は規格策定中だったHDMIも搭載されておらずD4端子のみ、という、フルHD全盛の現在からすると「時代遅れ」のテレビになってきている。
だが、この連載の冒頭で書いたとおり筆者宅ではテレビの使用頻度が低く、パネルの駆動時間もさほど長くないため、まだまだ現役である。パネル自体もくたびれている感じはしていないし(そもそもくたびれたプラズマというのはどんな感じなのか知らない)、インターレースの映像とプログレッシブの映像を見比べても大して違いが解らない馬鹿脳を持つ筆者には買い換える理由があまり無いのである。最近話題の3Dの行く末を見てから次のテレビを買うつもりだ。
しかし、時代は進んでいくものである。筆者宅に地デジを導入した2年ほど前、チューナーは当時発売されたばかりのBuffalo LT-H90DTVであるが、この機器はHDMIを搭載している。また、しばらく前に購入した薄型PS3においてはDVDのアプコンはHDMIでないと機能しない。筆者のメインPCも出力・モニタ入力共にHDMIだ。最近量販店で売られているテレビの外部入力はHDMIが3系統程度、D-Sub15ピンとD端子排他入力が入力4というのが多い気がする。そう遠くない内にコンポーネント端子(搭載しているものを最近見ない)、D端子共に駆逐されてしまうのだろう。もう映像・音声共にアナログで伝送する時代は終焉を迎え、HDMI全盛なのだと気付かされる(DisplayPortはどこ行った?)。
さて、発売される機器の入出力ポートがHDMI全盛の今の時代、入力側がD端子の筆者宅では各機器の接続は上記のPS3やLT-H90DTV、Wii、DVDプレーヤーにおいてもD端子経由、たまにPCを繋ぐにもD-Sub経由のアナログ信号なのであるが、最近PS3のアプコン機能の実力を友人宅で見てしまい、接続形態を改善することに決めたのである。こうすることによって我が家の旧世代のプラズマテレビもまだまだ使えるし、いざテレビを買い換えた際に移行が楽である。
少ないながらも仕事のこともあり、ITの知見は持ち続けたい筆者にとっては、遅れをとっている知識や経験をキャッチアップするいい機会である(要するにPS3をHDMI出力したいだけなのである。購入した機器のパフォーマンスは余さず発揮させたい、と思うのは技術者魂として当然ではなかろうか)。・・・・という理由は後付けなのであるが、決めたからにはプロジェクト発動である。
まず、現状を理解しやすいように現在の接続形態をまとめてみた。
Pioneer PDP-434HDのメディアレシーバはD端子入力が2つあるのだが、対する接続する機器が多い為セレクタを使用していた。手動切り替え式なので、わざわざ地デジとPS3を切り替えるのにセレクタまで歩いて行き、スイッチを切り換えかえなければならない。切り替えは面倒なのだが、このセレクタのいいところは、各切り替え元にOpticalケーブルとRCAの両方持っている点である。デジタル音声・アナログ音声共に切り替わるため、LT-H90DTV・PS3のOptical接続と、Wiiのアナログ接続を、このセレクタで切り替えることが可能なのである。ただし、DA/ADコンバートしてくれるわけではないので、出力側は両方ともアンプにつなげておく必要があるのだが。
さて、これらの機器の中でHDMI出力を行えるものはLT-H90DTVとPS3、HDDハンディカムである(DVDプレーヤはPS3導入によって引退した)。WiiはHDMI出力を持っていないのでD端子のまま、骨董機器であるHi8/S-VHSはS端子/RCA端子であるのでこれらはメディアレシーバに直接入力する。HDMI出力機器はHDMIセレクタによって切り替え、最終的にテレビ入力(メディアレシーバのD端子)直前にアナログに変換することとする。
ということで、完成予定はこうなる。
HDMI->D端子の変換であるが、いろいろと話題であったHDFury2を購入しようと思っていた矢先にHDFury3が発表されたため、HDFury3を使用して構築することにした。
2010年8月までCurtPalme.comで独占販売とのことなので、このサイトから注文した。
さて、品物が届くまで待つとしよう。